★ 1955年 米ケンタッキ
ー州 UFOから降り立った
怪物
このケースには、他に例
を見ないとは言わないま
でも、奇妙なディテールが
備わっている。もしこれが
一人の人間によって報告
されたのであれば、高い
信頼度は得られなかった
だろうと考えられる。
ゆえに、このケースを評価
するにあたって、七歳から
五〇歳までの11人の証
人(うち八人は二〇歳以
上の大人)がいたこと、こ
の出来事から三五年たっ
ても、異常な発言を誰一
人として公式に取り消し
ていないことは、念頭にお
くに値する。実際、初期の
頃に発言を撤回していれ
ば、彼らは体験したほど
ひどく、公に嘲笑の対象と
なることはなかっただろう
。
事件は一九五五年八月
二一日および二二日の夜
に、米ケンタッキー州ホプ
キンスヴィルの町に近い
ケリーという小さな集落で
起きた。
その夜の七時、目撃者の
一人ビリー・レイ・テイラー
は、井戸の水を汲むため
に外に出て、光り輝く巨
大なUFOが「虹の色ぜん
ぶ」のガスを出しながら、
彼の農場に近い、水の干
上がった川床に着陸する
のを見た。彼は家の中に
いた他の人たちに着陸の
ことを話したが、誰も信じ
なかったし、着陸場所を
調べてみもしなかった。
ゆえに、この着陸が続い
て起きたいくつかの出来
事と関係があるかどうか
は証明されていない。
テイラー一家と友人たち、
庭にいた犬の吠え声で注
意を呼び覚ませれたのは
、約1時間後だった。エル
マー・サットンとビリー・レ
イ・テイラーが原因を確か
めにキッチンのドアへ行っ
た。彼らを迎えたのは信じ
られない光景だった。手を
宙に高く上げた怪物が農
家に近づいてくる。それは
とても大きな目をしていて
、内から光が出ているよう
に輝いていた。背は低く
て三フィートから三フィー
ト半〔90センチ強から1メ
ートル強〕くらい、頭は丸
い卵型、髪の毛は一本も
なく、巨大な目は顔の側
面についていて、大きな
口は耳から耳まで裂けた
格好で、その耳は象のよ
うだった。腕の先端はか
ぎ爪状で、全身は銀色に
光り輝いていたが、目だ
けは黄色い光を放ってい
た。
目撃者二人はライフルと
ショットガンを持ち出し、怪
物に向けて発砲した。そ
れはバック転をして農場
の周囲にある森へと走り
去った。しかし、遭遇はま
だまだ終わっていなかっ
た。
屋根で音がしたので庭に
出てみると、家の上で怪
物が動いていた。またも
発砲すると、怪物は浮き
上がって裏庭にそっと降
りた。目撃者たちがもう一
度発砲すると、怪物は雑
木林に姿を消した。
一家と友人たちは家の中
に集まってドアにかんぬ
きをかけた。彼らは怪物
たちが外をうろつき回るの
を見ている。11時になる
頃には、しびれを切らし、
包囲状態を終わりにする
ため逃げ出すことにした。
急いで家から出て二台の
車に飛び乗り、助けを求
めるため地元警察まで一
〇マイル〔16キロ強〕運
転した。頑固で誇り高い
田舎の人々が家から逃げ
出そうと思ったこと、むり
やり二台の車に乗り込ん
で警察まで「迷げた」こと
が、報告に嘘偽りがない
ことをはっきりと物語って
いる。
警官と地元新聞のカメラ
マンが同行していた。
この出来事と直接には関
係ないものの、ホプキンス
ヴィルからケリーへ戻る路
上で、彼らは「大砲の発
射音のような」二つの音
が頭上を通り過ぎるのを
聞いた。
警察は一帯を捜索した。
銃創は見つかったがUF0
あるいは怪物の痕跡はな
かった。グリーンウェルは
、彼らが通常は警察に逃
げ込むような人々でない
こと、ゆえに「何かがこの
人たちを怖がらせたのだ
、彼らの理解を超えた何
かが」と指摘した。
遭遇は、これでもまだ終
わらなかった。
警察は、明るくなってから
もっと充分に調査するつも
りで、ホプキンスヴィルに
戻った。午前二時三〇分
、エルマー・サットンの母
グレニー・ランクフォードは
、怪物が寝室の窓から覗
き込んでいるのを見た。
彼女が家族にそっと呼び
かけると、エルマー・サッ
トンが部屋に駆け込んで
来て、母親が平和的に話
し合うよう頼んだにも関わ
らず、窓越しに怪物に発
砲した。怪物たちは、その
朝の日の出直前まで農
場周辺をずっと動き回って
いた。
この出来事のあと、目撃
者は自分たちが見た通り
の真実を語っていると主
張し、揶揄されないように
話の異常な部分を取り消
すことを拒んだ。おかげで
彼らは世間の注目を集め
、宗教的ヒステリー現象
だと非難され、彼らを呼び
物にした観光ツアーまで
生まれた。
ある隣人は、その午後サ
ットンの農場近くの野原を
動き回る光を見たという証
言をしているが、動物が
逃げ出したのでサットン家
の人々がそれを駆り集め
ているだけだと思った。彼
はこう言っている。「手伝
いにしゃしゃり出なくてよ
かったよ。弾に当たってた
かもしれんからな」
ケリー・ホプキンスヴィル
の包囲の背後に何があっ
たのかについて諸説ある
。
【英国UFO研究協会BUF
ORA】原書房UFO百科事
典